春日部市立大場小学校3年5組(昭和50年、1975)の冬のある晴れた日のことです。
3階(だと思う)の教室の窓から外を見ると冠雪した富士山がくっきりとよく見えました。
クラスメイトのS君(9ー11在住)と「富士山だよ」と話していました。
あまりに鮮明に富士山の山容がよく見え、まるですぐそこにあるかのように思えたものですから、「放課後に富士山まで行こう」ということになりました。
一旦、家に帰宅し、ランドセルを置いて、出かけます。
出がけにドアの前で母親がお向かいのIさんのおばさんと立ち話をしていて、「どこに行くの?」と尋ねられました。
「富士山」と即答すると、母親は黙ってニコリ。
私はS君(9―11の408か409に住んでいた)を誘いに行きました。
大場小の校門前にあった駄菓子屋「ことぶき」(寿商店)でお菓子を買いました。
2人で武里団地を後にしててくてくと歩いて行きます。
歩いた道はちょうど岩槻方面へ向かう県道80号線です。
向こうには富士山が相変わらずよく見えています。手に届きそうなぐらい近く。
西へ歩いて歩いて、やがて疲れ、辺りも薄暗くなってきました。
すると工事か何かの盛り土の小山が左側の道端にありました。
S君と「神様が我々のために代わりの富士山を用意してくれたんだ」と喜び合って〝ミニ富士山〟に登りました。そこでお菓子を食べて家路に着きました。
9街区にたどり着いた頃はきっとくたくただったろうと思います。
今となってはいい思い出です。