ここは武里団地9街区

丙午生まれの昭和回想

テレビに映る

 あれは大場小4年生(昭和51年、1976)の時の記憶です。

 書道を習ってました。6街区(確か6―1の5階にありました)にあった相馬書道教室です。先生は女性の方で着物を着ていらして、きれいで温和な性格の方でした。

 その教室に通う親子でNHK見学に行ったことがあります。

 2度ほど行った覚えがあります。そのうちの1度は番組収録の観客でした。

 坂本九さんが司会を務める「日曜スタジオ」という番組です。

 ゲストが和田アキ子さんでした。番組の導入部で坂本九さんが歌います。

 「に、に、日曜日、おたく何曜日?」

 と九ちゃんが歌いながら観客席に来てマイクを向けると観客は「日曜日」と答えます。スタッフの合図があると観客は拍手をします。それは事前に説明があります。

 収録が終わり、後日に番組を見ると、果たして自分の姿が少しテレビに映っていました。私の母親は結構しっかりとアップで映っていて家族の話題でした。

 放送翌日の月曜朝に大場小に登校しました。下駄箱に入る手前で級友T君(別稿「発言賞決定」に登場)に「昨日テレビに出たんだ」と伝えると「前もって教えてくれれば見たのに」と残念そうに言われました。当時の私にはそんな気のきいたことは思いも付きませんでした。

 その後、教室ではその話題でちょっと騒ぎに。

 同じ書道教室に通っていたクラスメイトの女子児童TさんもNHKに行ったので「その話は本当よ」と太鼓判を押してくれ、しばらく周囲から羨望の眼差しで向けられた次第です。

 余談ですが、2度のNHKのうちのどちらかで、元ボクサーのガッツ石松さんを見かけたことがあります。母親が気づいて、呼び止めて、握手をしてもらい、サインをいただきました。そのサインはしばらく団地自宅の壁に貼ってありました、あろうことか父親が処分してしまいました。嫉妬感情でしょう。

 しばらく「日曜スタジオ」のエプロンは取ってありました。

 転校後も家庭科の調理実習などで身に着けると、必ず聞かれたものです。テレビの話をすると驚かれました。

 テレビに出るなどまだまだ珍しかった時代の話です。