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丙午生まれの昭和回想

好きなテレビ番組―武里白百合幼稚園8―

 引き続き武里白百合幼稚園PTA機関紙第8号(昭和48年3月15日発行)に基づいて当時の園児たちがどんなテレビ番組を見ていたのか、ご紹介したいと思います。
 まず写真を参照してほしいのですが、このテレビ番組ランキングは白百合幼稚園児たちへの調査結果を基にランキングしたものとなります。私も質問されたのかもしれませんが、忘れてしまっています。

昭和48年の武里白百合幼稚園児たちの「ぼく、わたしの好きなテレビ番組」。ジェンダーの観点から見ると、ぼく、わたしという男らしさ、女らしさの文化と時代に生きていたことを実感します。番組もヒーローもの(男ならこうありなさいという価値観)全盛期を示しています(武里白百合幼稚園PTA機関紙「しらゆり」第8号より)

 第1位に「さるとびエッチャン」28人が上がっています。これは私も見ました(恐らく再放送で)。女の子が主人公ですが、名前の由来の猿飛佐助(真田十勇士の忍者の1人)のように屋根をぴょんぴょん飛ぶ場面が印象的です。
 第2位が「レインボーマン」24人。これも見ていました。というかDVD全巻を持っています。主人公「ヤマトタケシ」がインドの提婆達多の下で修行し、ダッシュワンからセブンまで7人の化身に変身するヒーローものです。確か火の化身か何かのおもちゃの人形を何体か持っていました。
 第3位が「仮面ライダー」17人です。あえて触れません。第4位が「ピンポンパン」16人です。これは「ママと遊ぼうピンポンパン」という朝放送していた民放の子供向け番組でした。
 お姉さん(代替わりしました)、カータン、しんぺいさん、体操のお兄さんが出てきます。確か主題歌と踊りがあって「ぐるぐるぐる♪ピ~ンポ~ンパポ~ン」と両手を胸の中央辺りで前後に「ぐるぐるぐる♪」させながら、徐々にしゃがんで「ピ~ンポ~ンパポ~ン」と両手を両横にやります。
 とにかくうらやましくてしようがなかったのが番組最後に出演した子供たち(おそろいの帽子をかぶっていた)が木の洞(うろ)に置かれる玩具をもらえるところ。ピンポンパンに出演することが当時の私の夢であり、似た帽子をかぶって(なぜか家にあった)は番組を見ていた記憶があります。
 第6位の「バロムワン」13人は「超人バロムワン」。これも別稿で触れているので割愛します。第8位「ロッキーチャック」9人は毎週日曜放送のカルピスまんが劇場の走りの頃のアニメ番組です。
 その後「アルプスの少女ハイジ」「ペリーヌ物語」「不思議な島のフローネ」「赤毛のアン」など名作アニメを生みだした番組です。
 第10位の「ジャンボーグエース」はセスナ機が回転するとジャンボーグエースに変身する実写版ロボットヒーローものです。その後、車が変身するジャンボーグナインも制作されました。
 私はこのジャンボーグエースがうらやましくて、自分の学習机の奥の正面にジャンボーグエースの眼の輪郭をマジックで描き、学習机をコクピットに見立てて想像して遊んでいたことを思い出します。
 第11位の「マジンガーゼット」、第12位の「ウルトラマンエース」、第13位の「ウルトラマン」はもちろん見ました。エースはリアルタイムで視聴し、ウルトラマンは再放送でした。
 このウルトラマンシリーズは子供の頃、エースもタロウもレオも抵抗なく夢中になって見ましたが、これがどうも大人になるとSFタッチの「ウルトラセブン」(平成セブン、Xも含め)が好みに合致します。DVDも繰り返し見てます。
 第14位の「突撃ヒューマン」は自力で思い出せなかったのでインターネット検索すると、思い出しました。全13話しか放送されなかったようですが、確かに見ていました。内容は覚えていませんが、ヒューマンの造形は覚えています。
 第15位の「ケロッコデメタン」は見た記憶があり、第16位の「魔法使いサリー」は再放送で見ました。サリーちゃんの原作者の横山光輝先生には「三国志」「項羽と劉邦」「水滸伝」「殷周伝説」のコミック作品もあり、夢中になりました。

 第19位の「バビル二世」も横山先生です。こちらは番組も全話(動画で)見ましたし、コミックも全巻持っています。どこに魅了されるかというと、超能力もそうですが、3つのしもべ(ロデム、ロプロス、ポセイドン)でしょうか。超絶した力や異能への憧れが多分にあったのでしょう。
 私という人間が一体何から成り立っているのか、番組ランキングを見るとよくわかります。ヒーロー番組、当時盛んに制作された子供向け番組から成り立っているのだと改めて認識する次第です。
 しかし、きっと私だけではなく、昭和30、40年代生まれの、現在50歳代の方々は多くがそうなんだろうなと思います。ヒーローものを懐かしがり(いい歳していまだに変身願望がある)、オカルト(UFO、UMA、超能力、心霊など)の洗礼を受けて、今でもそうした話題に身を乗り出しやすい、そんなところがありませんか。
 第18位の「8時だよ全員集合」は全盛期でしたから土曜日午後8時、毎週テレビの前に釘付けでした。
 第20位の「サンダーマスク」は見ましたが、記憶は微か。アイアンキングデビルマンガッチャマン、ピュンピュン丸、ファイヤーマン、おばけのQ太郎、変身忍者あらし(嵐)は見ていました。

 最後の「その他」21人は気になります。何の番組が入っていたのでしょうか。この中にシルバー仮面スペクトルマン快傑ライオン丸が入っていた可能性もあります。

 昭和40年代~50年代の昔は当時のおとなが子供のためによかれと思って、考えに考えて制作した番組がブラウン管の向こうにあふれていたように思います。
 例えば、まんが日本昔話、まんが子供文庫、まんが世界昔話、まんが日本絵巻、まんがはじめて物語などなど。市原悦子さん、常田富士男さん、岸田今日子さん、宮城まり子さんの語りが今も耳に残っています。
 ひるがえって今はどうなのかなと考えることがあります。