昭和47年(1972)、テレビでヒーロー番組が全盛期。ウルトラマン、仮面ライダーシリーズはもちろんですが、その中でも「超人バロム・1(ワン)」(昭和47年4月2日~11月26日放映、Wikipedia調べ)はとても人気がありました。
このドラマは「ゴルゴ13」で有名なさいとうたかを先生の原作漫画だったことはかなり後年になってから知りました。
人気の秘密は、バロム・1に変身する前の姿が少年2人であったからだと思います。感情移入しやすかったんですね。
後年、ガンバロン(「小さなスーパーマン ガンバロン」昭和52年〈1977〉4月3日~12月24日放映)が子供の変身するヒーローものとして人気を博しましたが、バロム・1も私たち子供に近い世代の男の子(木戸猛、白鳥健太郎)がヒーローに変身する。これが最大の魅力だったんだろうと思います。
「たけし!」「けんたろう!」
「バロ~ムクロォ~ス!」
この掛け声とバロムクロスで互いの右腕を交差させて変身します。
バロム・1はアイテムのボップを持っていましたが、当時は玩具用のボップも売っていて、私はそれを持っていたことを記憶しています。
さて、前置きはこのぐらいで。武里白百合幼稚園の松B組には、このバロム・1の顔の絵を上手に画く男子園児2人がいました。О君とS君です。朝、登園すると、各自のスケッチ帖があり、画用紙いっぱいにバロム・1の絵を画いてました。
かくいう私もバロム・1の顔をよく画いていたのですが、これがあまり上手ではありませんでした。当時の私自身もうまく画けないことを自覚していました。何がうまく画けないかというと、顔の左右バランスですか。非対称的になってしまう。
だけどО君とS君はみごとにバロム・1の顔を上手に画いていたのです。
園児の私は2人の絵を見て、ほれぼれとしたことを覚えています。
どちらの絵もバロムワンに似ているのですが、だからと言って2人の絵同士が酷似しているというわけでもなく、それぞれ特色(個性)というものがにじみ出ていました。
私も2人のように画けたらなと思ったものです。
ある日、別の男の子の園児がО君よりS君の方がうまいなどと言いました。
私は内心、О君の絵が劣るなどとは思いませんでした。
その後、彼らはどのような道を歩んだのでしょう。大場小では同じクラスになることはありませんでした。
しかし、バロムワンというと2人の〝小さな画伯〟を思い出してやみません。