身近な景色、見慣れた景観であっても、建物が取り壊されて整地され、もしくはコンビニ、ドラッグストアとなり、景色が一変してしまうと、(あれ、あそこ何があったんだっけ?)などと思うことがしばしばあります。
近隣公園もそうした景観のひとつかもしれません。武里団地に行った折、9街区の解体工事を恨みがましく横目に、近隣公園に昔の面影を探します。こちらも変わってしまったところもあって、少し残念な気持ちにもなります。
近隣公園の中の武里南公民館の西南側に、少し高台になった箇所があります。ここは昔、植栽に囲まれ、〝公園の中の公園〟とも言える憩いの場所でした。「噴水公園」と呼んでいました。
そこはツツジなどの植栽で囲まれた一角でした。階段を上がると、小さな公園となっており、花壇があり、現代アートのようなオブジェ(? 写真参照)がありました。
私の亡き母はここが結構気に入っていたようであり、子供をここに連れて来ては私たちの姿を写真におさめていたことがわかります。
この近隣公園は、9街区から団地商店街に買い物に行く際、必ず通りました。公園敷地を貫く緩やかに弧を描く道を、母が乳母車(末弟、昭和49年6月生まれ)を押し、下の弟が乳母車の前に乗り、長男の私は歩きました。
ヨーロッパでは昔からの景観を大事にする文化があります。神宮外苑もそうですが、日本人は「再開発」の名の下にどんどん壊しては新しいものを建てます。
20年、30年後、半世紀後にそこへ行っても「当時の景色と全く同じだ」という感慨を漏らすことができないのが日本です。
頽齢の私には正直付いて行けません。