ここは武里団地9街区

丙午生まれの昭和回想

切手収集

日本昔話の切手。かぐや姫、浦島太郎、鶴の恩返し、おむすびころりん(鼠浄土)。

 

 どういう気まぐれなのか、はたまた近所の子どもたちの影響なのか、私の母親がある日、私に切手収集を勧めました。昭和50年頃(大場小3年)でしょうか。
 これが私の切手収集の始まりです(今はもう収集していませんが…)。

 と言っても能動的に始めたものではないので、ヒートアップしたわけではありませんでした。プレミアの切手を何が何でも手に入れようという意欲も知識もなく、ただのんべだらりと集めるようになりました。
 当時、切手はどこで手に入れるのか。郵便局ももちろんそうなのですが、武里団地内の一角で切手販売店が営業しており、そこで購入しました。これはおぼろげな記憶です。もう何街区かも忘れましたが、団地の玄関スペースを店舗(客のいる)代わりに利用し、店主がその奥から切手を出して来て、販売していたように記憶しています。団地の玄関だから面積はかなり狭いですね。ドアは開けっ放し(だったかな)。
 それでも結構な来客がありました。私が母親に連れられ、初めて切手販売店に行った時、何人か男性(おとな、子ども)がいたことを微かに記憶しています。

最初に購入した蒸気機関車の切手。


 切手・印紙販売は恐らく公の許可が必要なはずです(郵便切手類販売所等に関する法律第2条、総務大臣の認可)が、その方はそうした郵便切手類販売者の認可を受けていたのでしょうか。

 今となってはもうわかりません。まあ話の本筋からはどうでもよいことです。
 初めて買ってもらった切手は、蒸気機関車の切手シート2枚でした。その後、両親からお年玉記念切手シートを譲られ、コレクションも多少増えました。いつだったか、学研だったけかな、少年誌の抽選プレゼントで世界の切手(押印あり)セットが当たったことがあります。その切手は今もあります。
 私と同世代前後の男性(女性の郵趣家はあまり聞かない)は、一時期でも切手収集(熱量の差はあれど)にはまった経験のある方が結構いたのではないでしょうか。私の周りにも何人か切手を集めていた少年がいました。
 あまり熱心なコレクターでなかった私ですが、折に触れては切手を眺めるなんてことをしていました。また指紋が切手に付かないように専用のピンセット(先端が尖っておらず、ステーキナイフのように平たい楕円形になっている)で挟んで出し入れしてましたっけ。群馬に越してからもそうした収集家少年がいました。

 あれから半世紀近くが経過しました。切手アルバム2冊は今も私の本棚にひっそりと保管されています。