44年前の団地周辺はまだまだ田園地帯が広がり、自然豊かな所でした。
私が幼稚園の頃は9街区の隣りに水田が広がってました。季節になると、夜はカエルの合唱が聞こえたほど。そこはやがて駐車場となり、今は住宅街となっています。
3年生の時、大場小の向こうには「かっぺ森」と呼ばれる森がありました。
今思うと森と言っても林程度です。
そこにお化け(または幽霊だっけか?)が出ると噂が流れました。
学校の休み時間にクラスメイトのS君(ということは小3の昭和50年〈1975〉)と一緒にかっぺ森に行こうと約束しました。
放課後、大通り(と言っても片側1車線の県道)の向こうに渡ると、かっぺ森がありました。S君と進んで行くと、森の中には家が2軒立っています。
どうも荒れ具合から、人は住んでおらず、廃屋のようでした。
お化けは出そうな雰囲気はありましたが、実際に出ることはありませんでした。
もっともまだ日中ですから、お化けも幽霊も出るわけがありません。
少しぶらぶらして帰ろうとなりました。
森を出たところで焚き火をしてる大人がいました。
声をかけられたんだと思います。火の側へ行くと1斗缶に金属を入れて燃やしています。炎の色が変化するのは金属が違うからだと教わりました。その時、その内の1人から「俺は昔、森の中の家に住んでて」と身の上話を話してくれました。
内容は忘れましたが、少し怖い内容だったかもしれません。
切りのいいところで引き上げました。
その後、かっぺ森に入ることはありませんでした。